001.ドイツの行方  

世界はどうなる 第21号(2012/07/05) 中国経済膨張政策とドイツ 〔A4 12ページ〕
第50話 中国経済膨張政策とドイツ より抜粋


(前略)
経済再生プロジェクトは、メインイベントである「ブッシュ・ショック」を世界に認めさせるべく、最終章に向けて現在も着々と遂行されている。 その下ごしらえとして行なわれるのが、「経済鎖国」と「中国経済膨張政策」だ。
私は、『世界はどうなる 第18号』において、アメリカはプロジェクトを自ら望む落としどころに導くために、中国経済を膨張させると述べたが、現在問題になっているギリシャやリビアの経済破綻もこの一環と考えることができる。

(中略)
リビアに対しても、アメリカは武力だけで崩壊させたわけではない。金融危機以降、経済戦争を仕掛けて体力を奪ってから空爆に持ち込むという定石通りに動いている。  
米経済紙ウォールストリート・ジャーナルによると、ゴールドマン・サックス(以下 GS)は、2008年リビアの最高指導者カダフィ大佐が管理していた政府系ファンドの13億ドル以上を運用、2010/02には2510万ドルまで大幅下落して98%以上の損失を出した。

(中略)つまり、リビアは、カダフィ政権崩壊の下ごしらえとして、アメリカの国策のもと、GSによって「カモ」にされたのである。GSにとっては、おいしいエサだったことは容易に想像できる。

このような“仕打ち”の中で、リビアは中国の経済援助を受け入れざるを得なかった。中国も、そこにつけ込むように石油開発にまい進した結果、金融危機以降の数年間で、リビアの石油権益を握らんとするまでになった。その結果の空爆である。政権が崩壊してしまえば、今までの中国の投資は水の泡になり、アメリカは中国膨張策の目的を果すことができるのだ。

(中略)当然、ユーロ諸国は、このようなアメリカの動きに感づいたはずで、自国の世論を誘導し空爆に参加しなければならなかった。なぜなら、反アメリカの立場を取るということは、リビアの二の舞いになる可能性や、プロジェクト後の経済体制に取り残されることを意味し、それは取りも直さず、国の崩壊や飢えに直結するからだ。  

この流れに乗らなかったのが「ドイツ」である。ドイツ経済は、自動車産業をはじめとして、中国経済との結びつきが強く、金融危機以降も中国経済の膨張とともに発展してきた。この関係から、中国の外交圧力に屈した形でリビア空爆に参加していない。 (後略)

全文が読めるバックナンバーは、こちらで販売中です



世界はどうなる INDEXへ